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Diary & ss

日々の雑記とSS。こちらのSSは、サイトの方のテキストとは、設定が違ったり、あり得ないっしょ的なものだったり、いろいろです。気まぐれに更新(笑)

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コーヒーメーカー 2

拍手ありがとうございましたー
うれしいです

コーヒーメーカー、続きです!


惚れた弱み……(笑)
ツォンさん、ルー様にべたっべたに惚れまくってます(笑)

  1. SS 『コーヒーメーカー』
  2. / コメント:0


「この容器に水を入れ、ここにセットします。それから、ここにフィルターを敷き、挽いたコーヒーの粉を入れます」
ツォンの説明に、ルーファウスは、腕を組んで聞き入っている。
「そして、このボタンを押します」
ツォンの指がボタンを押すと、コポコポと音がして、コーヒーメーカーが動き始めた。
「なるほど」
ルーファウスが、感じ言ったように呟いた。
「コーヒーとは、こんなに簡単に作れるものなのか」
ツォンは、思わず、固まった。
この人は、インスタントコーヒーなどというものの存在すら知らないのだろうな、と思う。
タークス本部の給湯室にあるのは、当然のことながら、インスタントコーヒーのみである。レノなど、スプーンも使わず、インスタントコーヒーの入ったビンを傾けて、そのまま、マグカップにどどっと注ぎ、お湯をざっと入れて、コップを回すようにしてかきまぜるだけである。あんな姿を見たら、この御曹司はなんと思うのだろう、とひそかにため息をついた。
「もう覚えた。次からは自分で作れるだろう。ツォン、礼を言う」
「いえ、とんでもございません」
ルーファウスは、よく、我儘だ、と言われる。
だが、ルーファウスを近くで見るようになって、決してそうではない、とツォンは思うようになっていた。
コーヒーが飲みたい、という要求も、考えようによっては我儘なのかもしれないが、このように、作り方を教えれば、自分で作ろうとするわけで、やはり、これは我儘なのではなく、おそらく、神羅の跡取り息子と、自分たち庶民との感覚の違いなのだろうと思うのだった。
それに、すでに、幽閉が始まってから一週間が過ぎているのだ。今まで、コーヒーのことを言いださなかったところをみれば、おそらく、ルーファウスなりに、この一週間は我慢していたのだろう、と思う。
胸に、かすかな痛みを覚えながら、ダイニングの棚からコーヒーカップを取り出す。
そこに、出来上がったコーヒーを注ぐと、ルーファウスは、行儀よくダイニングテーブルの前に座り、嬉しそうにカップを取り上げた。
「美味いな」
一口、飲んで、ルーファウスが満足げに呟く。
ツォンは、軽く頭を下げ、小さく微笑んだ。


この一週間、ほぼ毎日、こうして、仕事の合間に、ルーファウスに呼びだされていた。いや、正確には呼びだされるのではない。ルーファウスは、ただ質問してくるのである。だが、結局、ツォンがここまで出向くことになっているだけだった。
だが、自分が、それを決して嫌がってはいないことに気づき、ツォンは、ひそかに苦笑する。どんなに急ぎの案件を処理している最中であろうと、あの、赤いランプが点滅すると、心が浮き立つのだ。
そして、こうして、ここまで出向いてしまう自分がいる。
ルーファウスの希望をかなえてやり、その嬉しそうな顔を見るだけで、満たされている自分がいるのである。
自分が、ルーファウスに対して、ただの上司として以上の気持ちを抱いていることは、もう、とっくの昔に気づいていた。
もっとも、そんなことは、言いだせようはずもないし、というより、そんなことを口に出すつもりも、ほのめかすつもりも、ツォンには毛頭なかった。この想いは、あくまでもツォンの勝手な想いであって、ツォンがそんな想いを抱いていることなど、ルーファウスは気づいてもいないだろう。
それは、当然のことだった。ツォンは、ただのタークスの一員であって、ルーファウスにとっては、それ以上でもそれ以下でもない。ルーファウスにとって大事なことは、部下として有能であるか、無能であるか、それだけだ。
とはいえ、今のところ、ルーファウスはツォンに対して、他のタークスのメンバーには見せないような親しみを示してくれている。それは、はじめに副社長付き、として、ルーファウスの世話係になったことが大きいのだろうと思う。その点に関しては、ツォンは、プレジデントに大いに感謝していた。


もちろん、まったく、しょうもない、と、思わないでもない。
タークスとは、もっと、冷徹で感情に左右などされてはいけないはずだった。
そう思い、これまで、タークスとして、意識して、感情を押し隠し、常に冷静に、冷徹に行動するよう、己を律してきた。
それが、なんの体たらくか、と思う。
だが、一方で、いいではないか、と思う気持ちもある。
ルーファウスは、ここに監禁されているのだ。
窓もない地下に、他人との接触を徹底的に遮断され、監禁される生活など、考えただけでぞっとする。しかも、ルーファウスは、まだ、十七歳なのだ。
おそらく、数か月、あるいは、年単位での幽閉だろう、とツォンは踏んでいた。
そうであれば、自分が、ここで、少しくらい、ルーファウスを甘やかしたところで、なんの問題もないだろうと思うのだ。 自分にできることであれば、なんでもやってやりたい、と思っている自分に気づき、ツォンは、また、ひそかに苦笑した。


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