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Diary & ss

日々の雑記とSS。こちらのSSは、サイトの方のテキストとは、設定が違ったり、あり得ないっしょ的なものだったり、いろいろです。気まぐれに更新(笑)

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ジェラシー 4

ジェラシー3 拍手ありがとうございましたー!
これで、ラストです♪

読んでくださってありがとうございました



  1. SS 『ジェラシー』
  2. / コメント:0





「社長」
「……なんだ」
思わず、ツォンが掴んでしまった腕を見下ろし、ルーファウスが眉を寄せた。
ツォンは、あわてて、その腕を離した。
「あの……誤解をされてませんか」
「誤解?」
「はい。あの記事は、根も葉もない……といいますか、誇張されておりまして……その、確かに、女性と付き合ったことはありますが、あそこに書かれているほど、大勢と付き合ったわけではありませんし……」
ふと、ルーファウスの頬に、また、苦い笑みが浮かび、ツォンは、焦った。
「……もちろん、複数と同時に付き合うなどということもしたことはありませんし……その……もちろん、今は、誰とも……」
だが、弁解すればするほど、ルーファウスの頬の苦い笑みは深くなるばかりで、ツォンは、どうしていいかわからず、口を閉ざした。
「ツォン。もういい」
やがて、ルーファウスが、吐息とともに言った。
「社長……あの……」
「あんなくだらん記事はどうでもいい」
「……は?」
「あんな記事、私が信じるとでも思うのか。おまえが、そんなに器用な男でないことくらい、わかっている。今は、私だけなことも、わかっている」
ルーファウスは、もう一度、吐息をつくと、腕を組み、ツォンをまっすぐに見上げた。
「おまえが、これまで、誰とも付き合わなかったわけがないこともわかっている。だが、おまえが、過去に、私以外の誰かに愛している、と言ったのかと思ったら……頭に血がのぼったんだ」
ルーファウスは、苦笑した。
「くだらぬ嫉妬だ。自分にこんなくだらん感情があるかと思うと、情けない。私とて、人のことは言えないのにな」
ルーファウスは首を振ると、ツォンの肩に、軽く手を触れた。
「だから、心配するな。なにも誤解などしていない」
そして、柔らかい笑みを浮かべると、おやすみ、と呟いた。
肩から、ルーファウスの手が、ふっと離れた。
ツォンは、思わず、その手を掴んでいた。
そして、そのまま、ルーファウスの身体を引き寄せ、強く抱きしめた。
だが、抱きしめた身体は、おとなしく腕の中におさまりはしなかった。
ルーファウスの腕が、ツォンの肩を押しやるように動き、キスをしようと近づけた顔も、手でぐいと押しやられた。
「はなせ。そんな気分じゃない」
静かだが、冷たい声が言う。
「なぜです?」
ツォンは、あまり力を入れないようにしながらも、ルーファウスの腕をつかんだまま、離さなかった。
「私は今、猛烈に自分に腹が立っているんだ。する気になどならん」
ルーファウスは、ツォンの腕の中から抜け出そうと、もがいた。
だが、ツォンの力にかなうわけもない。
「はなせ」
「嫌です」
ツォンの言葉に、一瞬、ルーファウスはあっけにとられたような目を向けた。
だが、次の瞬間、蒼い瞳が、鋭い光を浮かべて、ツォンを睨みつけた。
「ツォン。同じことを何度も言わせるな」
ツォンは、首を振った。
「私は、今、あなたが愛おしくてたまらない。離しませんよ」
「な……にを……」
ルーファウスが、虚を突かれたように、目を見開いた。
「私は、嬉しいんです。あなたがそんな風に思ってくださったことが、嬉しくてたまらない。あなたが、嫉妬してくださるなど、思ってもみなかった」
「……なにをばかなことを言っている……っ」
ルーファウスは、また、もがいた。
「ああ……あまり、暴れないでください」
「おまえが、離さないからだろう!」
「……あなたを傷つけそうで怖い」
「だったら、離せ!」
ツォンは、小さく吐息をつくと、そのまま、ルーファウスの身体を抱き上げた。
「なにをする!」
「危ないですから暴れないでください」
「下ろせ!」
ツォンは、ルーファウスの身体を、できうる限り、そっとベッドの上に下ろした。
「こんなところに下ろすな!ばかもの!」
叫ぶルーファウスの上に覆いかぶさるようにして、暴れる身体を押さえこみ、両手をあげさせ、掴まないようにしながら、シーツに押しつけるようにして上から押さえた。
ルーファウスは、なおもバタバタと暴れようとしたが、そうして押さえこまれてしまえば、もうどうにもならなかった。
柔らかいベッドの上で、押さえつけられているだけなため、痛みはまったくない。
だが、完全に、動きを封じられたことに気づき、ルーファウスは、悔しげに唇を噛んだ。
「……くそっ……」
上品とは言いがたい悪態が、その形のいい唇から洩れ、ツォンは、苦笑した。
「なんで、そんなに暴れるんですか。まるで、野良猫ですよ」
「野良猫で悪かったな」
ルーファウスは、ツォンを睨みつけた。
「いいだろう。そんなに抱きたければ、抱け」
ツォンは、ため息をついて、首を振った。
「そんなに怒らないでください。私の話を聞いてくださいませんか」
ルーファウスは、鼻を鳴らした。
「聞いてくださいも何もないだろう。私は動けないんだ。勝手にしゃべるなり、抱くなりしろ」
「……そんなに、噛みつかないでください。お願いします」
ツォンは、何度目かのため息をついて言った。
その言い方が、あまりにも情けないものだったせいか、ルーファウスは、バタバタと暴れるのはやめた。
まだ、その身体は抵抗を示して、硬くこわばっていたが、とりあえず、ツォンは、ほっとして、微笑んだ。
だが、ルーファウスにじろりと睨まれて、苦笑した。
「私は、あなたが嫉妬してくださったことが、とても嬉しいんです。嫉妬してくださったということは、私を愛してくださっているということでしょう?」
ルーファウスは、フンと横を向いた。
「愛しているからこそ、嫉妬してしまう。私など、ずっと、あなたの相手に嫉妬していましたよ」
ルーファウスが驚いたように、ツォンを見上げた。
「気がつきませんでしたか?」
ツォンは、苦く笑った。
「まあ、嫉妬などできる立場ではありませんでしたから、必死で押し殺していましたけどね。セフィロスに、私は、酷く嫉妬しましたよ」
ツォンは、過去を思い出し、目を細めた。
「コスタにセフィロスが来たことがありましたね。あの時など、上であなたがセフィロスに抱かれているかと思うと、嫉妬で気が狂いそうでした。打ち明けますと、私のあなたへの感情が恋だと確信したのは、あの時です。それまでは、なぜ、あなたが気にかかって仕方がないのか、なぜ、あなたを守りたくて仕方がないのか、わかっていなかった。本当は、出会ったときから、すでに、私はあなたに心を奪われていたんです。ですが、そんなことに気がついてしまえば、大変なことになりますから、自分で感情に蓋をしていたんだと思いますが」
ツォンは、苦笑して、首を振った。
「それからが大変でした。私はあなたの部下です。そんな感情を表に出すわけにはいかないですし、だいたい、あなたを恋愛の対象として見ることなど、許されることではない。まず、なんとか、その気持ちを消そうと思いました。一時の気の迷いかもしれないと思い、女性と付き合ってもみました。ですが、なにをしても、あなたへの想いを消すことはできませんでした。それで……あきらめました」
ツォンは、笑った。
「あなたへの想いを消すことは、あきらめた。とすれば、残された道は、この想いを心の奥深くに閉まって、絶対に表には出さず、墓場まで持っていくことだけです。正直、つらかった。でも、あなたのそばにいられるだけで幸せでしたから、それでいいと思った。でも、そうは思っていても、心は勝手なもので、嫉妬はするんです」
ツォンは、せつないため息をついた。
「セフィロスが消息を絶ってからも、あなたの心はずっとセフィロスにあった。私は一生、セフィロスに嫉妬をするんだろう、と思いましたよ。もちろん、嫉妬したのは、彼に対してだけではない。あなたを抱いた他の男にも、あなたが抱いた女性にも嫉妬しました。どうです?これが私ですよ」
ルーファウスは、何も言わず、身じろぎもせず、ツォンの話を聞いていた。
ふと、組み敷いた身体が、もう、なんの抵抗も見せておらず、力が抜けていることに気付き、ツォンは、ルーファウスの両手から手を離した。
「あなたは、私の過去の女性に嫉妬したとおっしゃった。でも、嫉妬などする必要はなかったんです。私がこれまでに愛したのは、あなただけだ。そして、これからも、あなただけです」
ツォンは、ルーファウスの頬に、そっと指を伸ばした。
抵抗がないことに、安心して、両手で、頬を包み込んだ。
「ですが、あなたのあんな姿を見せていただけて、私は舞い上がってます……まだ、怒っていらっしゃいますか?」
ツォンの心配そうな声に、ようやく、ルーファウスは苦笑を浮かべた。
「……いや」
「よかった」
「だが、ひとつだけ、訂正だ」
「はい?」
「おまえも、もう嫉妬などする必要はないぞ。セフィロスは……もう、遠い過去の思い出だ。私の心にいるのは、おまえだけだ」
ツォンは、何も言えぬまま、ルーファウスを見つめた。
そして、かすかな笑みを浮かべた唇に、そっとキスを落とした。
「……あなたが欲しい。だめですか?」
切羽詰まった声で囁けば、ルーファウスの腕が、ツォンの背に回った。
「私も、おまえが欲しい」
ツォンは微笑み、もう一度、唇を重ねた。



□■□■□■□■□



腕の中で、穏やかな寝息をたてるルーファウスを見つめて、ツォンは、微笑んだ。
シーツにちらばる金色の髪を、指ですくいあげる。
その時、ふと、思い出した。
昔も、こんな風に、金色の髪に触れたことがある……。
そこで、がばり、と身体を起こした。
「ん……」
その動きに、ルーファウスがかすかな声をたてる。
あわてて、寝顔をのぞきこむ。
だが、ルーファウスは、また、眠りに引きこまれたらしく、しばらくすると、また、穏やかな寝息がその唇から洩れはじめ、ツォンは、ほっと息をついた。
(……思い出した……)
ツォンは、自分が思い出したものに、愕然とした。
自分が過去に付き合った女性たちが、次々と脳裏に浮かぶ。
(………嘘だろう……)
ツォンは、思わず、手で口を覆っていた。
その女性たちのほとんどがブロンドで、青い瞳をしていたことを思い出したのである。
もちろん、黒髪や赤毛の女性もいたし、黒い瞳や、緑の瞳の女性もいた。一番、長く付き合った女性は、栗色の髪をしていた。
だが、思い出す顔のほとんどが、ブロンドに青い瞳だった。
とくに、ルーファウスを忘れようとして、必死になっていた時期に付き合った女性は……。
ツォンは、思わず、頭を抱えた。
金髪碧眼が好き、などという嗜好はない。
それは、今まで、忘れていたことからも明らかだ。
ということは、そこから導き出される答えは一つだ。
つまり、自分は、ルーファウスの面影に影響されて、知らぬ間に、金髪で碧眼の女性を選んでいた、ということだった。
自分の心の、素直さに、思わず、苦笑が漏れた。
頭ではどう考えていても、心は、ルーファウスを忘れるつもりなど、毛頭なかったのだ。
ツォンは、ぐっすりと眠る大切な人を見つめた。
そのなめらかな額に、そっとキスを落とす。
そして、静かにシーツの上に身体を横たえ、寝息をたてる身体を抱き寄せると、目を閉じた。




END
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