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Diary & ss

日々の雑記とSS。こちらのSSは、サイトの方のテキストとは、設定が違ったり、あり得ないっしょ的なものだったり、いろいろです。気まぐれに更新(笑)

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ジェラシー 3

2に拍手ありがとうございました~~
うれしいです



ジェラシー3 です!!



  1. SS 『ジェラシー』
  2. / コメント:0



「社長……」
閉じたドアを軽くノックする。
もう寝てしまっているだろうか、と思いながらそっと呼びかれば、
「入れ」
という静かな声が聞こえた。
ツォンは、小さく吐息をつくと、ドアを開けた。
ルーファウスは、バスローブを羽織ったまま、ソファに座り、タオルで髪を無造作に拭いているところだった。
「あの、社長」
「なんだ」
「お話が……」
ルーファウスが、手を止め、ツォンを見上げた。
その顔はいつもと同じで、特に、怒った様子も見られない。
「聞こう」
もしかして……怒ってはいないのか?とも思うものの、やはり、いつもと少し違う?とも思う。
こんなときでも仕事口調なのはいつもだが、それでも、いつもより少しだけ、口調が硬いような気もする。
ツォンは、少しだけ、逡巡し、だが、ルーファウスの気の短さを思い出して、心を決めた。
「あの……先ほどの記事のことですが……。その、まったくのでたらめでして……あーいえ、全部が全部、というわけではないのですが……その」
「ツォン」
「はい」
「要点を言え」
「……申し訳ありません」
じろりと睨まれ、首をすくめる。
そして、心を決めた。
「つまり、ですね。あの記事で、私が、ブロンドで青い瞳の女性ばかりと付き合ったようなことが書いてありましたが、そんなことはありません。ですから、その、社長がブロンドだからとか、そのようなことで、私が……」
不意に、ルーファウスが、くすっと笑い、ツォンは言葉を切った。
「わかっている」
「……は?」
「おまえが、金髪碧眼ならだれでもいい、などと思う男でないことくらい、わかっている。さっきのは……」
ルーファウスが、ふと、苦笑するのを見て、ツォンは目を瞬いた。
「大した意味はない。気にするな」
ツォンは、思わず、ほっと息をついた。
だが、そっと窺ったルーファウスの蒼い瞳には、まだ硬い色があるような気がする。
では、やはり、ルーファウスが怒っているのは、もう一つの方か、と思う。
「あ、では、その……」
一瞬、躊躇し、口を閉ざす。
ツォンは、もともと、情事は秘めるもの、という意識があり、生々しい言葉をあっさりと口にするルーファウスとは違い、セックスに関することを口にするのは非常に苦手だった。
なんと言ったものかと、言葉を選び、口ごもったが、ルーファウスの鋭い視線を浴びて、あわてて、言葉を続けた。
「つまり……私はあくまでも、普通、といいますか、いえ、たぶん、普通ではないかと思うのですが、その……相手をその……縛る趣味などはありませんで……」
言いにくい言葉をなんとか口にしながらも、気まずい思いで、ルーファウスから、少し目をそらしてしまう。
「……その……道具、といいますか、そういうものも使う趣味はありませんので………ご心配には及びません。……その、つまり……社長にそのようなことをしようなどとは、まったく思っておりませんので……」
視界のすみで、ルーファウスが、つと、俯くのが見え、ツォンはあわてて、口を閉ざした。
ルーファウスの肩が小刻みに震えているのを見てとり、何か、ルーファウスを傷つけるようなことを言ってしまったのだろうか、と焦る。
「社長……?あ、あの……申し訳……」
あわてて謝ろうとし、だが、顔をあげたルーファウスの目には涙などかけらもなく、それどころか、とうとう、こらえきれぬように、くっくっと笑い声をたて始めたのに気づき、ツォンは、目を瞬いた。
「それもわかっている」
「は……?」
「今まで、何回、寝たと思ってるんだ」
あっさりと口にされた言葉に、頬が火照る。
「おまえにそういう趣味があるなら、とっくに気がついてる。まあ、おまえのことだ、自制していた、と言われればそれまでだがな」
ルーファウスは、おもしろそうにツォンを見上げた。
「いえ、まさか……!そんなことはございませんので……!」
あわてて言ったツォンを見て、ルーファウスは、楽しそうに笑った。
ツォンは、戸惑ってルーファウスを見つめた。
やはり、これは、怒っていないのだろうか、と思う。
だが、では、なぜ、さっさと寝室に……?という疑問が残るが、ただ単に、本当に眠かっただけなのだろうか?
「あの……社長」
「なんだ」
「私はてっきり、社長が、私のことで、なにかご不快を感じられたのかと思ったのですが……その……先ほどの記事にいろいろ書かれておりましたので……」
ルーファウスは、笑みを浮かべたまま、首を振った。
「怒ってはいない」
あっさりと言われた言葉に、ツォンは、ほっと息をついた。
だが、同時に、勘違いをしていたことに、羞恥が沸き起こる。自意識過剰もいいところだった。
「それは……申し訳ありませんでした。怒っていらっしゃるのかと勘違いを……失礼しました」
あわてて言い、頭を下げた。
「では、ゆっくりお休みください」
もう一度、頭を下げ、寝室から出ようと、ドアに手をかけた。
だが、「ツォン」と声をかけられ、振り向く。
ルーファウスは、頬に小さな笑みを浮かべていた。
「確かに、おまえに怒ったのではないが……」
ルーファウスは、ふと、口を閉ざした。
なにかに迷っているようなその様子に、ツォンは驚いた。
これは珍しいことだった。
ルーファウスは弁が立つ。
それは、仕事でも日常生活でも同じで、こんな風に、言い淀むことなどほとんどない。というより、少なくとも、ツォンは見たことがなかった。いつでも、思ったことをはっきりと、逡巡も躊躇も見せずに、立て板に水、といった様子で、話すのがルーファウスだ。
そして、ルーファウスが、つと、ツォンから目をそらした。
そのことに、また、驚く。
ルーファウスは、話すときに、絶対に、相手から目をそらさないのが常だった。
いったい、何が起こっているんだ、と、固唾をのんで、珍しい上司の姿を見つめるツォンの前で、ようやく、ルーファウスが、呟くように言った。
「嫉妬した」
わずかに俯いたルーファウスの口から出た言葉に、ツォンは思わず、目を瞬いた。
シット……?
一瞬、それが嫉妬、だということに気付かなかった。それくらい、嫉妬、という言葉は、ルーファウスに似つかわしくなかった。
このルーファウスが嫉妬……?
なぜ……?
誰にだ……?
ツォンは、呆然とルーファウスを見つめた。
「自分にあきれる」
ルーファウスは、頬に苦い笑みを浮かべて言った。
そして、ツォンを見上げた。
「そういうことだ。おまえは何も悪くない。……八つ当たりをして悪かった」
ルーファウスは、小さな笑みを浮かべると、ソファから立ち上がった。
「おやすみ」
そう言って、軽く手を振る。
それは、いつもの退出の合図だったが、ツォンは、まだ呆然と、立ち尽くしていた。
八つ当たりをして悪かった……???
これは、本当に、あのルーファウスだろうか……??
いつもクールで、いつも上から目線で、いつも………いや、そんなことを考えている場合ではなかった。
嫉妬……。
つまり、この状況で、ルーファウスが嫉妬するとしたら、ツォンが過去に付き合った女性に、ということしか考えられない。
確かに、あの記事では、ツォンが、さも大勢の女性と、手当たり次第に付き合ったと、受け取られかねなかった。
あるいは、今でも、続いている、と誤解されているとか……?
いや、ルーファウスが星痕を患ってからの日々は、ツォンは、ルーファウスと共に、ヒーリンに引きこもっていた。そんな誤解は、さすがにされていないだろう。
だが、自分が、節操無く誰彼かまわず、付き合える男だと思われていたら、それは困る。
そんなことは、あり得ない。
自分は、ルーファウス一筋だ。
ツォンは、あわてて、バスルームに行きかけているルーファウスを追いかけた。

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