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Diary & ss

日々の雑記とSS。こちらのSSは、サイトの方のテキストとは、設定が違ったり、あり得ないっしょ的なものだったり、いろいろです。気まぐれに更新(笑)

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エッジの休日 4

「エッジの休日 3」に拍手ありがとうございましたー!
これで、ラストです!


すいません、いろいろ、適当ですー……。
経済とかまったくわかりません(笑)

お仕事してる、できる男!!なルー様が書きたかっただけです



続きを読む、からです!
読んでくださって、ありがとうございました^^



  1. SS 『エッジの休日』
  2. / コメント:0


何やら、丸めた、大きな紙をかかえたWRO局長リーブが、ヒーリンに姿を現したのは、その日の夜遅くのことだった。
エッジから帰ると、すぐに、ルーファウスは、ツォンに、「リーブを呼べ」と言い、「エッジの最新地図と、ミッドガル周辺の地形図を持ってこいと伝えろ」と付け加えて、自分は自室に篭ってしまったのだった。
「来たか」
ルーファウスは、執務室でリーブを迎えた。
「地形図は持ってきたか」
「はい」
「ここに広げろ」
リーブとツォンが、デスクの上にミッドガル周辺の地図を広げる。
「その上に、エッジの地図を」
リーブが、二枚の地図を重ねて置く。
ルーファウスは、しばらく、エッジの地図を眺めていたが、ペンを取り上げた。
「これが最新の地図か?」
「はい。一応そうなのですが、どんどん増殖していきますので、地図も追いつきません」
ルーファウスは、軽くうなずくと、その地図に、何本かの線を無造作に書きこんだ。
「今日の状況だ」
ルーファウスの言葉に、リーブが驚いたように、目を見開いた。
「エッジに行かれたんですか?!」
「ああ、行った」
「なんという無茶を……」
「別に、無茶でもない。私が神羅の社長だなどと気付いた者はいなかったぞ」
「たとえそうだとしても……」
ブツブツと言いかけたリーブを、軽く手を振って黙らせると、ルーファウスは、さらに何本かの線と、なにかの建物を表すらしい四角をいくつか書きこみ、地図から顔をあげた。
そこには、もともとあったものより、一回り大きく、放射状に広がる線もいくつか増えた地図ができあがっていた。
ツォンは、驚いた。
たった半日、歩いただけで、この人はこれだけのものを見てとったのかと、と思う。
ただ、エッジを見物し、いろいろな店を見て回っているだけだと思っていたが、おおよその街の形状をしっかりと把握していたのだ。それにしても、メモもとっていなかったはずなのに、これだけのものを覚えていることに驚く。
リーブも同じように驚いたらしく、目を丸くしていたが、やがて苦笑混じりの声で言った。
「相変わらず、すごい記憶力ですね」
ルーファウスはそれには返事をせず、腕を組んで、自分の書いた地図を見下ろした。
「リーブ。エッジの再開発はするのか」
「考えてはおりますが、もう、好き勝手に増殖し続けていますので、どうにも」
「だろうな」
ルーファウスは、あっさりと言った。
「ハイウェイを作る」
「ハイウェイ、ですか」
「ああ、エッジと主要都市をつなぐハイウェイだ。そのハイウェイランプから、エッジに道を通す。はじめは、エッジの道を整備し直そうかと思ったが、あれは、しばらくは無理だ」
ルーファウスの長い指が、地図の一点を指さした。
「ここに、ハイウェイランプを作る」
リーブが、腕を組み、じっと地図を見つめた。
ルーファウスの指が地図を滑り、エッジの東端で止まった。
「ここと、ハイウェイランプを結ぶ。そして、ここを基点に、エッジを囲む環状道路を、まず作る」
指が、エッジを囲む円を描き、南端で止まった。
「エッジは、東西に長い。この環状道路の南端と、今のエッジの南端には、まだスペースがある。ここを区画整理し、街を作る。そして、そのまま、ジュノン方向に発展させる。今のエッジは、とりあえず、そのままだ」
リーブは、腕を組んだまま、しばらく考え込んだ。
やがて、小さくうなずいた。
「地形的には、まったく問題はありませんし……そうですね、いいお考えだと思います。ですが、残念ながら、WROでは無理です。そこまでの大事業はできません」
ルーファウスは、小さく笑った。
「WROでやれ、とは言っていない」
「と、おっしゃいますと?」
「私がやる」
リーブは、目を見開いて、かつての上司を見つめた。
「………それは……」
「ああ。神羅でやる」
リーブは、あっけにとられたように、ルーファウスを見つめ、首を振った。
「それこそ、無茶だ。神羅が、世間からどう見られているか、ご存じないわけではないでしょう?」
「もちろん知っている。私が、世紀の極悪人扱いされていることもな。だがな、そろそろ、営利至上主義の企業理論が戻っていいはずだ。甘やかしてばかりでは、世界は進んでいかない」
「それは、そうですが………」
リーブは、再び、首を振った。
「これは、ボランティアではない。完全に、営利事業として行う。雇用も増えるし、健全な経済活動が始まる。悪いことではあるまい」
「それはそうですが………神羅はまずいですよ。せめて……企業名を変えるとか」
ルーファウスは、鼻で笑った。
「そんなことをしたところで、すぐにばれる。隠していてばれれば、そのダメージは非常に大きい。だが、隠さず、出ていれば、初めから叩かれるだけですむ。もう、うちのイメージは、落ちるところまで落ちているんだ。失うものはなにもない」
リーブは、指を額に当て、考え込んだ。
「ですが、神羅カンパニーの名では人は集まらないですよ」
「そうだろうな」
あっさりと言ったルーファウスに、リーブは、眉を寄せた。
そして、ハッと何かに気づいたように、ルーファウスを鋭く見つめた。
「WROの名は貸しませんよ」
ルーファウスは、くっと笑った。
「名などいらん。人材を貸せ」
「………は?」
「元神羅の有能な連中を、全部、おまえのところに回してやっただろう?」
ルーファウスは、星痕症候群を患いながら、神羅カンパニーを事後処理をきちんとすませていた。
その中には、元社員に、残りの給料と退職金を支払い、リーブの元に送り込む、という、気の遠くなるような煩雑な作業も含まれていたのである。
「あの連中を貸せ」
「いまさら、神羅に戻せと言われましても……」
リーブが、渋い顔で言いかけるのを、ルーファウスは手を振って、さえぎった。
「誰が、神羅に戻せと言った。WROで株式会社を作れ。そこに、連中を移せ」
「株式会社……ですか」
「ああ、そうだ。WROも出資しろ。その企業で、環状道路を作り、ハイウェイを作る」
「つまり、その経営を、社長がされると?」
「いや、私は出資して株主になるだけだ」
眉を寄せて、考え込んだリーブを横目で見て、ルーファウスは、椅子に座った。
足を組み、ひじ掛けにのせた両手を軽く組む。
しばらく、そのままリーブの様子を見ていたが、やがて「リーブ」と静かに声をかけた。
「おまえが、なにを心配しているかはわかるが、とりあえず、それは先の話だ」
リーブは、ルーファウスにあきれたような目を向けた。
「やはりいずれは、乗っ取るおつもりなんですね。人材を貸せ、もなにもないではありませんか。結局、WROの人材をまた、神羅に奪われるだけのことだ。それがわかっていて、私が、その片棒を担ぐとお思いですか?」
「乗っ取るだの、奪われる、だの、物騒だな」
ルーファウスはくっくっと笑った。
「そんなことは、先になってみないとわからんだろう。とりあえず、私が、今、やりたいのは、世界に、健全な経済活動を戻すことだ。これは、おまえも同じだろう?」
「まあ……そうですが」
「それがなければ、世界は復興していかん。そのための一歩だ。悪い話ではないだろう?」
リーブは腕を組んで、再び、考え込んだ。
ルーファウスは、小さく吐息をついた。
「それなら聞く。他に手はあるか?WROだけではできない。もちろん、うちだけでもできない。それであれば、手を組むしかない。だが、WROは、表向きは神羅と組むことはできない。そうだろう?」
「はい」
「だが、WROが作った企業への投資、という形であれば、誰も文句は言えない。もちろん、株主は誰でもなれる。他企業はもちろん、エッジの一市民だってなれるんだ。もちろん、初めから筆頭株主などにはならんから安心しろ」
リーブは、唸るような声を出した。
だが、ふと、顔をあげた。
「あなたの名義で株主になられるおつもりですか?」
「名を隠したままでは、フェアではないからな」
「………いいんですか?」
ルーファウスは、小さく笑った。
「いつまでも、逃げ隠れしているのは性に合わん」
「世間が納得するでしょうか」
「するもしないも、発起人はおまえだ。私は、経済復興のために資金を出すだけだ。出す先は、企業になるが、WROに資金提供していたことと、表向きは、なんら変わりはない」
「ですが……二年以上、あなたは表舞台に立たなかった。そのことも非難されますよ」
「星痕症候群闘病記でも、出版するさ」
ルーファウスは、皮肉めいた笑みを浮かべた。
「少しは同情も集まるだろう?」
リーブはとうとう笑い出した。
「………あなたという方は……」
「えげつない、と言いたそうだな」
「忘れていましたよ。あなたは、本来、そういう方だった」
「失礼な奴だな」
リーブは、笑った。
そして、吐息をつくと、うなずいた。
「いいでしょう。確かに、方向転換してもいい時期かもしれません。WROもこのままの形で、この先、ずっといけるわけではないですしね」
ルーファウスは、椅子から立ち上がった。
そして、リーブに右手を差し出す。
リーブは、とまどったように、その手を見つめた。
「どうも………その……」
「なんだ」
「あなたにこういうことをされますと……」
「おまえはWRO局長、私は神羅カンパニーの社長だ。これがふさわしいと思うが」
リーブは、意を決したように、右手を出し、差し出されていたルーファウスの右手を軽く握った。
「商談成立だな」
ルーファウスは満足げに笑った。
だが、リーブは、ため息をつくと、力なく首を振った。
「また、あなたにしてやられた気もしてますがね、私は」
ルーファウスは、眉をあげた。
「相変わらず、あなたは口がうまい」
「おまえも、相変わらず、頑固だな」
ルーファウスは、そう言うと、軽く笑った。




「ツォン」
リーブが帰り、デスクの上の地図を片づけていたツォンは、名を呼ばれ、顔をあげた。
「はい」
「無名の、いいライターを探せ」
デスクに両肘をつき、両手を組み、何やら考えていたルーファウスが言った。
「……本当に、闘病記を出されるおつもりなんですか?」
「当たり前だ。私は冗談など、言わん」
ルーファウスは、皮肉めいた笑みを頬に浮かべた。
「女に受けそうなものを書けるライターを探せ。どうやら、私の顔は、女受けするようだからな。せいぜい煽って、同情を集めるぞ」
ツォンは、思わず苦笑した。
ルーファウスは、エッジの街で、自分が女性たちの熱い視線を浴びていたことに、ちゃんと気づいていたのだった。あるいは、初めから、その辺りの目論みもあったのかもしれない、とすら思う。
二年間の、つらく、苦しい闘病生活の中で忘れていたが、したたかで、現実的で、自分の持つ力を最大限に生かし、勝負に挑んでいく、それが、本来のルーファウスだった。そんなルーファウスにとっては、自分の容姿すら、目的を達成するための材料にしか過ぎないのだ。
「だが、まあ、その前に、どこかの雑誌社の記者だな」
「雑誌、ですか」
「ああ、おまえの昔の知り合いで、信頼できる記者はいないか?」
ツォンは、眉を寄せた。
タークスという仕事柄、情報屋や、記者といった人種とは、いろいろな意味で関わることが多かった。
「何人かおりますが、今、どうしているかはわかりません。すぐに探します」
「頼む。スクープをやる、と言え。ただし、私のことは一切、言うな」
「はい……ですが、なにをなさるおつもりですか?」
「私が世間に出る足掛かりを作ってもらう」
ルーファウスは、何を思うのか、ツォンを見つめ、不敵に笑った。
「おもしろくなるぞ」
その顔は、かつての、ルーファウス神羅そのもので、ツォンは微笑んで、頭を下げた。
この先、ルーファウスが歩く道は、困難とスリルに満ちたものになるだろう。
これは再出発ではない。
資産は有り余るほど、まだ残っているとはいえ、祖父と父親が作り上げた基盤をすべて喪い、0からの出発といっていい。
いや、0ですらない、マイナスからの出発ともいえた。
なぜなら、ルーファウスの再出発には、まずは、世間からの冷たい洗礼を浴びることになるだろうからだ。そしてそれは、かなり手酷いものになるだろう。
そのすべてから、この、何よりも大切な人を守りたいとツォンは思った。
強く不屈の精神を持つルーファウスだが、その奥底には、表には絶対に出さずにしまわれている、柔らかく感情豊かな心があることを、ツォンは知っている。
その心を傷つける、すべてのものから、守りたかった。
ツォンは、ルーファウスを見つめた。
「どこまでも、お供します」
ツォンの言葉に込められた、強い想いに気づいたのか、ルーファウスは、ふと笑みを消した。
蒼く澄んだ瞳が、ツォンをまっすぐに見つめた。
やがて、その唇が、ゆるやかに笑みを浮かべた。
だが、その笑みは、先ほどまでの、不敵で、挑戦的なものではなかった。
優しく、愛情に満ちた、穏やかな笑みだった。
「ああ……そばにいろ」
「はい」
ツォンもまた、微笑んだ。




END
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